ギブソン破産の原因とその背景から見る今後の音楽業界の課題

2018年5月1日

アメリカの老舗楽器メーカーである

ギブソンがついに破産申請をしました

本業のギターがなかなか売れず

楽器周辺の機材などに手を広げたり

色々と対策をしてきましたが

どうやら時代の風は厳しいようです

 

2012年、日本の音響機器メーカー

オンキョーと業務提携

(※2016年以降は資本関係を解消)

2013年、日本の音響機器メーカー

ティアック株式の54.6%を取得

2014年、オランダの電気機器メーカー

フィリップスのオーディオ事業買収

 

ギブソンブランドは無くなるのか?

負債総額はおよそ5億ドル(約545億円)

では世の中からギブソンという

ブランドが無くなってしまうのか?

といいますと、実はそうでもありません

アメリカの米連邦破産法第11章は

日本の民事再生法に近いもので

旧経営陣がそのまま企業に残れます

 

実際、すでにギブソンのCEOである

ヘンリー・ジャスキビッツは

不採算事業からは撤退して

本業の楽器ビジネスに専念するという

声明を発表しています

ここからどう立て直していくのか

今後に注目が集まりそうです

 

ギターキッズの憧れだったブランド

私自身、高校の時からギターを弾き

かれこれ20年以上が経ちます

ジミーペイジやクラプトンが好きで

彼等の持つギターへの憧れは

そのままギブソンというブランドに

対する憧れとなっていきました

 

そのブランドがこのような事態に

なってしまったことはショックです

音楽人として寂しくもあります

今回のニュースを知った時に

「今、ギターそんなに売れてないの!?」

という驚きもあったので調べてみました

 

ギター、エレキギター生産数のグラフ
※経済産業省生産動態統計年報(繊維・生活用品統計編)参照

日本のギター生産数量の推移グラフ

2009年…126,069本

2010年…118,306本

2011年…128,573本

2012年…96,407本

2013年…73,552本

2014年…65,104本

2015年…68,175本

2016年…69,918本

 

2011年~大きく落ち込んでいます

この原因は一体なんでしょうか?

もしかしたらPCやスマホの

普及率が関係あるかもしれないと

思ったのでそちらも調べてみました

 

情報通信端末の保有率のグラフ
※総務省(情報通信端末の世帯保有率の推移)参照

情報端末の普及率と関連はあるのか?

PCにおけるネット環境自体は

2007年から80%前後で推移してます

ギターの生産数量が落ち込んだ

2011年~このグラフにおいて

大きな数字の変化が見られるのは

そう、スマートフォンです

 

【スマートフォン普及率】

2011年…29.3%

2012年…49.5%

2013年…62.6%

2014年…64.2%

2015年…72.0%

2016年…71.8%

 

【タブレット端末普及率】

2011年…8.5%

2012年…15.3%

2013年…21.9%

2014年…26.3%

2015年…33.3%

2016年…34.4%

 

変化したユーザーの音楽の聴き方

この数値から見てとれるのは

【スマホやタブレットが普及した

=ギターが売れなくなった】

という単純な方程式ではありません

エンドユーザーの音楽の聴き方が

大きく変化したことがまず先です

 

そうするとどうなるでしょう?

音楽好きの聴くアーティストや

楽曲がどんどん多様化していきます

つまり、もはや昔のように

ジミーペイジやクラプトンといった

ギタリストの象徴(シンボル)が

出てこなくなったということです

 

勿論、上手いギタリストは沢山います

プロ、アマ問わず全世界の

プレイヤーの演奏が見れることで

「この人スゲエ!」という突出した

インパクトを与えること自体が

かなり難しくなってしまったのです

 

今後の音楽業界の課題を考える

ギターキッズたちがギターを頑張る

モチベーションというのは

象徴(シンボル)に対する憧れで

「あの人みたいに弾きたい!」

という想いからではないでしょうか

その対象がなかなか見えない時代

 

今回のギブソン破産の件や

ギター売上本数の低迷などの背景には

そういった要因もあると思います

ギター1本に何十万円という金額を

投じる動機をどうやって作れるかが

今後の音楽業界の課題となりそうです

 

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