
何だかずいぶん久しぶりに帰ってきた感じがするな。
僕らはシンディの宇宙船に入るとピンク色の内装の
通路を歩き、作戦室&ダイニングの方へと向かった。
歩く位置を天井と床の青い自動照明が照らしていく。
今は太陽エネルギーの備蓄で動く省エネモードだな。
タイムトラベルは燃料を喰うから節約しているのだ。
球体の船のカーブに沿って進むと、先に扉が見えた。
僕らはドアの前に立ち、手で扉を上にスワイプする。
『 …アレ?開かない 』 ドアにLockedと表示された。
『 先パイいますよね… 』 ディランが心配そうに呟く。
『 いるはずだな。中からしかロックはできないし… 』
しかし、僕らの位置もセンサー反応で分かるはずだ。
『 先パイもしかして、寿命が縮む絶望のあまり… 』
ディランは最悪の事態を妄想してオロオロしだした。
『 う〜ん、あの女が…?』 僕は腕を組んで想像した。
いくら失敗したら寿命が100年失われるといっても
あの女がそれを悲観して自らの命を断つだろうか?
僕は首をひねり、そして結論した。絶対ありえない。
『いや、それは無い。あの女は悪魔に魂を売ってでも
目標達成するはずだ。そもそもあの女は悪魔だぞ?』
僕がディランに力説してると彼女は僕の背後を見る。
『 いてっ! 』 後ろから何かでバスッと頭を叩かれた。
振り向くと、丸めた雑誌を持ったシンディーがいた。
『 人のこと言いたい放題いってくれるじゃないの 』
『 先パイ! 』 ディランが涙目になり彼女に抱きつく。
『 いるなら開けろよ・・・ん?泣いてたのか?』
よく見るとシンディの目に涙の跡があり腫れていた。
『 まあね 』 彼女はディランの頭を撫でながら答える。