
通報・・・? いったい誰が、何のために?
僕にはシンディの発言の根拠がよく分からなかった。
彼女はモニター画面に映る自分の写真を指差した。
『 この写真は最近のもの。しかもトラベル中のね。
つまり、これを撮影できるのは… アンタでしょ 』
シンディは指の方向を別のモニターへと移動させる。
アゲちゃんは口笛を吹いてレコードを拭いていた。
『 そうですねぇ。現場を記録するのも私の仕事です 』
DJドクロは几帳面にレコードを眺めながら言った。
『 しかし、本社には報告しますが…さすがにそれを
銀河パトロールにリークするなんてことしませんよ。
我がハデス社はお客様との信頼関係が第1ですから 』
彼はピカピカに磨いたレコードをジャケにしまった。
そして横に積み上がったレコードの山にそれを置く。
『 ただ、契約者の親族から問い合わせがあった場合
ある程度の情報を提供することはありますが… 』
DJドクロはそこで話を切った。何か含みがあるな。
『 じゃあ、その情報を受け取った親族がそれを
銀河パトロールにリークして通報する可能性は?』
僕は目を見開いてシンディを見た。何いってんだ?
ドクロのアゲちゃんはカラカラと愉快そうに笑った。
『 そうですね…レアケースですがゼロではないです 』
シンディはフンと鼻息を荒く吐き、ため息をついた。
『 この通信も傍受してんでしょ。出てきなさいよ 』
するとポレスリーさんの映るモニターの画面半分が
真っ暗になり、そこに鬼のような不気味な影が映る。
『 久しぶりだな。元気そうで何よりだ 』 一体誰だ?
『 相変わらず悪趣味ね、パパ 』 シンディは毒づいた。