
『 うん、クリアですね。おめでとうございます 』
円卓に並んだ2枚の絵を見てアゲちゃんは言った。
北斎から肖像画を受け取った僕らは宇宙船に戻り
現代に帰っているところだ。ミッションは成功した。
『 しかも片方はシンディさんの本当の姿ですね〜 』
モニターに映るDJドクロはしきりに感心している。
『 さ、これでいいんでしょ。報酬を忘れないで 』
作戦室の中央にある円卓に座ってシンディは言った。
ミッションに失敗したら寿命が100年失われるが
成功すればレアな召喚魔法をゲットできる契約だ。
今のシンディの召喚レベルだとミニドラゴン程度の
ものなら呼び出せるが、それ以外は狙って呼べない。
ディランは練習中にたまたま召喚できた異星人だが
元の場所に返すこともできないので、居候している。
『 もちろん、もちろん、我がハデス社のモットーは
安心と信頼のデス、ですから。ご安心ください!』
そう言ってアゲちゃんは自分の胸を拳で強く叩く。
強く叩きすぎて肋骨が何本か折れ、しばらくむせた。
『 ゴホッ、ゴホッ、失礼。ではでは〜、報酬タイム 』
DJドクロは指の骨でモニター画面に五芒星を描く。
右の星が1つ赤く光った。あと4つあるってことか。
『 さて、ではこれより冥界との冥約によりアナタの
召喚レベルを強制的にアゲます。どんな召喚魔法を
覚えるかは、当人の資質によりますのでヨロシク 』
アゲちゃんは人差し指をチッチッと揺らして言った。
『 …望むところよ 』 シンディは円卓から立ち上がる。
『 よろしい!ではでは〜、レベルアーーップ!!』
シンディの体が黄金に光り、部屋は闇に包まれた。