着物を手に入れるため茶屋で詐欺もやむなし
01日 5月 2025
『 よし、あそこで一服しよう 』 僕は茶屋の近くで馬を降りて、手綱を引いて歩いた。 街道沿いにある、旅人向けのよくある古風なお店だ。 店外に赤い長椅子がある。今風に言うとテラスだな。 さて、今からここで僕はお茶を一服するつもりだが 当然お金は無い。そしてこの時代の着物が欲しい。 幸いお店にお客はおらず、店員の姿を見当たらない。...

江戸城に向かって走る馬と青髪のサル
01日 5月 2025
その馬は江戸に向かって、街道を軽快に走っていく。 晴れ渡る空と大草原の景色はものすごいスピードで 後ろへと流れ、向かい風が顔にビュンビュン当たる。 僕は風の抵抗を無くすため、馬上で身をかがめた。 『 この手があったか。馬にも変化できるんだな 』 馬の耳元で話しかけたがディランの返事は無かった。...

突如あらわれた馬に乗って大草原を駆け抜けろ!
24日 4月 2025
終わった・・・かもしれない。 僕らが伏せて隠れている草むらを囲うようにして 刀を持った侍たちが、草をバッサバッサと斬り倒し その円を徐々に小さくしていく。もはや動けない。 僕の額から流れる脂汗がダラダラと地面にしたたる。 こんな江戸時代まできて人生の終わりを迎えるとは。 調子に乗って観光気分で外に出るんじゃなかったな。 『...

草むらに隠れて人生最大のピンチを迎える
21日 4月 2025
これは・・・やばい。僕は反射的に身をかがめて 雑草の生い茂る地面にひれ伏した。大ピンチだ。 幸い周りに丈の高い草があるから隠れていられるが このままでは見つかってしまうのも時間の問題だ。 200m程先から「あっちだ!」「いや、こっちだ!」 という人の騒ぎ声が、馬の鳴き声に混ざって響く。 見つかれば間違いなく無礼打ち…斬られるだろうな。...

彼女が斬られる前に石をぶつけて命を救え!
16日 4月 2025
僕が制止する声は届かない。すでに彼女の後ろ姿は 大名行列に向かい、ここから50m先を走っていた。 ちょうど下り坂で彼女の走るスピードが速いのだ。 マズい、今から彼女を追いかけても間に合わない。 このままディランが大名行列を横切ることになれば ・・・無礼打ち、確か問答無用で斬られてしまう。 僕は足元に落ちていた手頃な大きさの石を拾った。...

江戸時代で生の大名行列を目撃!
15日 4月 2025
とはいえ、この時代であまり複数人で出歩いても 目立ってしまい、トラブルに遭う可能性がある。 どちらにしても僕とディランの2人で行こうとは 思っていたし、宇宙船に1人留守番も必要だった。 何しろアレが無くなったら現代に帰れないのだ。 シンディの様子は気になったが、彼女も留守番を することに同意してくれたから、大丈夫だろう。 『...

城下町の地図から江戸城を目指せ!
11日 4月 2025
翌朝、僕はディランを連れて城下町へと向かった。 徳川家斉の姿を実際に見ないと、彼女はその対象に 変化することができない。写真か映像が必要だ。 将軍を撮る!そしてさっさと現代社会に帰りたい。 江戸時代に来てから、すでに24時間経過していた。 残り48時間以内に、将軍を撮る→ディラン変身 →北斎に命令、までを完了させなければならない。 『...

残り時間から逆算してミッションクリアを目指す
07日 4月 2025
もはやそれ以外に解決方法は無いように思えた。 あの我の強い、葛飾北斎という頑固な職人絵師に 肖像画を描かせるなど、普通の方法では無理だ。 それならば、この時代における絶対的な権力を使い 無理矢理にでも描く状況を作るしかないだろう。 お上の命令は絶対、逆らえば切腹、という時代だ。 さすがの北斎もこの方法を使えば従うに違いない。...

将軍の権力を使って絵を描かせる大作戦!
03日 4月 2025
その言葉をつい思わず独り言のように呟いた時 円卓を囲む皆の視線が集まってることに気付いた。 顔を上げてモニターを見ると、DJスケルトンも ティーカップを持って僕の次の言葉を待っている。 『 あ、いや…この時代には絶対的な権力者がいて それが将軍。そいつの命令には誰も逆らえない 』 ここまで話すと、シンディは理解したようだった。 『...

肖像画の本質を優雅に語るスケルトン
26日 3月 2025
『 え?ダメに決まってるじゃないですか 』 DJ姿のスケルトンは僕の質問をあっさり否定した。 『 肖像画ですよ?そこにある絵はシンディさんの 本当の姿を描いたものではないので、NGです 』 必要な説明を終えると、アゲちゃんはレコードを 1枚取り出してブースのプレイヤーにセットした。 ヨハン・パッヘルベルのカノンが部屋に流れる。...

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